第28話:風に負けない子

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第28話:風に負けない子

 文也は椅子に座り、デスクに置いてあるパソコンの画面を真剣に眺める。真剣だが、見ているのはアダルトビデオ専門の通販サイトである。 「持ってる、持ってる、持ってる……これ持ってない。でもSM物かぁー……SMはなぁー……んんー……」  残念過ぎる独り言を呟き、文也は腕を組んで悩む。自称のフェミニストである文也は、女性が痛め付けられるのを見るのが好きではない。 「ぶっ叩かれる女の子見てもなぁ。何も面白く……ハッ!」  文也は何かを閃いたのか、ポンと手を打った。 「男側がぶっ叩かれるやつ見れば良いのか! 盲点だったぜ。女王様……良さそうなの有るかな」  実に残念な男前である。DVDを探り、文也は試聴動画を再生する。蘭丸も出掛けていて現在一人の為、先日京都で買った生八ツ橋を口に運びながらイヤホンを付けて堂々と観ていた。 「ふみやおいたん何みてんのぉ?」 「んー……んっ!? お、おま……っ」  背後から聞こえてきた声に振り返り、文也は立ち上がる。その際、イヤホンがパソコンから外れた。「なんだいその豚みたいな身体は」というお姉さんの声と共にピシャンという鞭の音と男の気持ち良さそうな悲鳴が室内に響く。     
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