第9話:必要とされること

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第9話:必要とされること

 オッケーです! というスタッフの声に、文也は息を吐いて背伸びをした。文也がメインパーソナリティを務める音楽番組がある。今日はその収録だったのだ。十一時半から放送する三十分番組である。毎回、一組のアーティストと対談しながら曲を紹介していく。  今日のゲストだったアーティストの方を見て、文也は苦笑い。明るめの茶髪の品のある男だ。文也より僅かに年下。その男は、椅子に座ったままぐったりしている。 「やりづらかった? ごめんな、色々聞いて」 「え!? あ、いえ!」 「旭ちゃん、こういうのあんまり出ねぇべ? だからつい、色々聞き出したくなって」 「話しやすかったです。ただ、こういうの慣れてなくて。緊張しちゃって」     
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