第13話:分かり合えないもの

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 ルスランは立ち上がり、その場を後にした。遠ざかっていく逞しい背中を見送りながら、吟遊詩人は綺麗な声で呟いた。 「貴方は知らない。瑠璃色の彼に、貴方以上の護衛が既についているという事を」  ちりんと、鈴の音が響いた。草陰からゆっくり姿を現した黒猫を見て、吟遊詩人はクスッと笑った。 〈第14話に続く〉
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