第17話:綴られる物語

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第17話:綴られる物語

「ムーサよ。どうか私に語っておくれ。あの男の苦難を、そして怒りを、どうかこの私に」  ギターの優しい音色と共に、透き通った美しい吟遊詩人の声が静かに響く。そんな吟遊詩人を囲みつまらなそうに話を聞く三人の子供達。少年二人に、少女が一人だ。 「意味わかんなーい」 「つまんなーい」  子供達のその声に吟遊詩人は演奏を止め、子供達に優しく微笑んだ。 「おや、少々難しかったかな」 「妖怪ウォッチやってよ」 「ようかいうぉっち? 興味をそそられる実に面妖な響きだね。良かったら私に教えてくれないかな」 「いいよー!」  子供達は歌いながら、その場で奇妙な踊りを披露する。それは現代版の神に捧げる舞なのかな? と微笑みながら呟いた吟遊詩人。とんでもない誤解である。 「どう!? 完璧だったでしょ!?」 「ああ。貴方達の神もきっとお喜びになるよ。それにしても日本の舞は独特だね」 「お兄ちゃん日本人じゃないの?」 「どう見ても日本人じゃないじゃん!」  子供から見てもすぐ分かる。吟遊詩人は日本人の顔じゃない。髪は白に近いグレー、瞳は濃いグレーである。 「お兄ちゃん何人(なにじん)なの?」 「私かい? ギリシャ人だよ」 「ギリシャって何処?」     
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