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第1章 輝くクリスマスは過去のもの
クリスマス、小学生の頃まではただただ幸せで楽しい人生においての一大イベントでしかなかった。いつも住んでいる街はその時だけはイルミネーションの灯りが点灯し、至る所にクリスマスらしいもの、例えばベルや柊、赤と金色のリボン、そしてクリスマスツリー等が飾られまるで遊園地みたいになってキラキラと輝きを放っていた。ごく一般的な中流家庭の僕の家も、この日は特別な食卓になるのだ。普段は水分多めの不味くもないが美味しくもない微妙な出来栄えの野菜炒め、なめこの入った妙に口の中がねばねばする味噌汁、そして白米、というなんだか工場の食堂で提供されるような食事であった。しかし、それがどうだろう、クリスマスイブではピザにフライドチキン、そしてショートケーキといったラインアップが「今日はパーティよ」とでも言わんばかりにいつものテーブルに勢ぞろいしているのだ。そして、飲み物はワイングラスに注がれたシャンパン(もちろん、子供の頃だからシャンパンという名前の炭酸ジュースなのだが)である。そして、楽しいひと時を家族でわいわいと楽しんだ後はお待ちかねのあれである。そう、サンタクロースが来てくれるのだ!僕はごく一般の日本男児だったから、いつも大人気のキャラクターRPGのゲームソフトの新作をサンタクロースに頼んでいた。「明日の朝起きるとサンタさんがくれたプレゼントが枕元に置いてある!」そう思うとわくわくしてどうしても寝付けなくて、「サンタさんが来るのをこっそりと見てやろう!」なんて今思うと本当に子供らしく純粋なチャレンジをしたものだ。僕にとってもクリスマスは本当にキラキラ輝く特別な日でしかなかったのだ。そう、この頃までは…。
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