1人が本棚に入れています
本棚に追加
心神喪失者
女の子に、好きじゃないと言われた。
あなたには何があるの? ってまで言われた。
こんなにも好きなのに、あの子はまるで分かってくれない。
あなたとは付き合う気はないわ、ってあの子が言うもんだから……
つい悔しくなって……
サイコパスは、その子を殺した。
でも、理性は少しばかり残っていた。
あの子のせいで刑罰を受けるのはどうしても嫌だった。
負け犬みたいに思われたくなかった。
だから……
サイコパスは、大量に人を殺した。
何の関係もない人を巻き込めば、異常者だと思われる。
そう思われた方が都合いい。
結果、案外うまくいって、心神喪失者という地位を得ることができた。
これからはもう、普通の生活を送ることはできない。
でも、構わない。
精神病院の生活もそう悪くないと思う。
働かなくていいし、飯は食える。
むしろこっちの生活の方が合っているかもしれない。
あの子に感謝しなくちゃ……
サイコパスは、あの子の歪む顔を忘れない。
最初のコメントを投稿しよう!