ANNA

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父が「これからまた、家族皆で暮らすか?お前ならきっと辛い思いをしている人たちを助けられると思うが。」と話し出す。 母は驚き、何てこと言い出すのと父を止めようとしていたが、私の目を見てやめた。 『うん。私、やっぱり家、出るわ。異形が全員悪いやつってわけじゃないのもわかってるけど、この能力を持ってる人間なんだから、助けられる命は何がなんでも守らなきゃって思ってる。』 頷いた父が「じゃあこれを連れていけ!」と、持ってきたのはかつて父の相棒だったという薙刀(なぎなた)。そして、最近噂になっている、能力者の集まる【患趣】という組織の情報を教えてくれた。 家族は離れていても私のことを応援していると話してくれている。 家を出る前に、引き出しにしまっておいたライのピアスを取りだし、自分の左耳にはめた。 そして弟を自分の部屋に呼び、髪を切ってほしいと伝えた。慣れない手つきだったが、なんだかとてもすっきりした。 玄関先で家族に別れを告げ、【患趣】へ向かった。image=507995321.jpg
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