2人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
父が「これからまた、家族皆で暮らすか?お前ならきっと辛い思いをしている人たちを助けられると思うが。」と話し出す。
母は驚き、何てこと言い出すのと父を止めようとしていたが、私の目を見てやめた。
『うん。私、やっぱり家、出るわ。異形が全員悪いやつってわけじゃないのもわかってるけど、この能力を持ってる人間なんだから、助けられる命は何がなんでも守らなきゃって思ってる。』
頷いた父が「じゃあこれを連れていけ!」と、持ってきたのはかつて父の相棒だったという薙刀(なぎなた)。そして、最近噂になっている、能力者の集まる【患趣】という組織の情報を教えてくれた。
家族は離れていても私のことを応援していると話してくれている。
家を出る前に、引き出しにしまっておいたライのピアスを取りだし、自分の左耳にはめた。
そして弟を自分の部屋に呼び、髪を切ってほしいと伝えた。慣れない手つきだったが、なんだかとてもすっきりした。
玄関先で家族に別れを告げ、【患趣】へ向かった。![image=507995321.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/507995321.jpg?width=800&format=jpg)
![image=507995321.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/507995321.jpg?width=800&format=jpg)
最初のコメントを投稿しよう!