第一章 「 造形物 」

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ユリスはケンが設計図らしきものを描いているのを、興味深げに見た。 「情報が少しだけで、悪かったね。」 「ユリス先生、今度PCの内容読ませてくれませんか?」 「え??君が??」 「ダメですか?」 「いやあ・・・言語がね・・・説明上手く出来ないけど、データ解析したのを見ても、多分何も分からないと思うよ?」 「図形・・・もないんですよね。」 「うーーーん・・・どこかに描いてあればいいんだけどねえ。」 秘書が助け舟を出した。 「ケン、自動修復機械の原理はコピー能力と同じだと聞きました。」 「確かにね。だから最初のデータがある筈だとおもうんだけど。」 「それがね、データの量が膨大過ぎて、どこに埋もれているかわからないのよ。」 ノートンがうなずいた。 「アイオリアンの文明のデータだからね。 おまけに言語が古代のままで・・・」 「巫女様にご登場ねがえないかしらん。」 「ユリス先生。 彼女は、ユリス先生が鍵だと言っていますよ。」 ノートンはちらりとユリスを見た。 ユリスは、ああそうと言ったきり、黙った。 ケンは、はあ?という顔。 秘書、再び。 「ほとんど彼女が裸身でいなければならない意味がわからない、文明は進化するはずでしょうというご意見です。」 「ごもっともで。」
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