第3章 「 光 と ファンタジーと 」

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第3章 「 光 と ファンタジーと 」

ノートンは秘書とユリスの方を交互に見て、口元に手をあてた。 「結果・・・を 手に入れた? ユリス、どんな結果を手にいれたのか、教えてくれないか」 「ノートンはもう気がついているよね。 セイレーンのスーパーコンピューターは、アイオリアンから移植されたものだよ。 私達が知るすべはないけど、そうじゃなきゃあの学府が、私達の行動を把握しようとする訳がないよ。 船のコンピューターと私は、長い年月を一緒に過ごしてきた。 彼女は私の考え方を、すっかり理解していたよ。 ああ、すまん。 どうしてもあのコンピューターは女性だと思ってしまうんだ。 女神フィアナのせいじゃないかと思うが。」 ノートンはユリスがアイオリアンでは魔法使いだと言われていたことを思い起こしていた。 「そうか、まさかとは思うけど・・・ アイオリアンに居た時から、なのか! その眼鏡を作った時も、君は」 「一緒にいたよ。 彼女は人間にとても興味を持っていてね。 だから、コンピューターがあんな研究を認めたのも人間を知りたいからだった。 ・・・それはつまり、私が人間に会いたいと思う気持ちの表れだったんだ。 寂しかった時間を埋めたかったんだよ。 私はユリスとして脳医学を、コンピューターは人間に関わる全てを研究し始めた。 あまりにも傍にいたせいで、彼女が私の思考方法を真似ていたことに気がつかなかった。 ・・・だから、私はこのことに責任があるんだ。」 秘書が話し始めた。 「ユリス、私は1万年の間に進化しました。」 「そうだね。」 「このセイレーンの人間を研究することは、人間の為です。」 「そう。」 「ユリスは謎解きは楽しいですか?」 「楽しいよ。」 ノートンはそこで、驚いて言った。 「それじゃあ、あの・・・あのケーブルは 本当に人々の情報を手に入れる為の、神経細胞のような伝達機械なのか?!」
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