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僕はいつものように駅への道を歩いていた。
いつもの時間、いつもの道、いつもの電車。
淡々と続く道を毎日、同じように歩く平凡な人生を歩んでいた。
どこから見ても平凡なサラリーマン。
ただ一つの性癖をのぞいては…
ビルのエントランスをくぐりぬけてエレベーターへと向かい自分のオフィスのある9階を目指していた。いつも他の人たちよりも少し早くきてたばこを1本吸い自分のデスクへと向かう。僕、新井雪人がこの春入社したこの会社は小さいながらも突出したデザインの家具をだすことでそこそこ世間に名の知れた会社だった。僕はそこで照明のデザインを担当する部署に配属された。まだまだ新人の僕には任せてもらえる仕事も少なくていつも先輩のデザインをみて日々勉強しているところだった。
仕事は順調でまだまだひよっこの僕にもデザインを考えることもさせてもらえるように
なってきていた。採用されるかどうかはまた、別の話だが。
就職とともに実家をでて都会のアパートで独り暮らしをするようになり仕事が忙しいながらも家事を少しずつ覚えプライベートも仕事もなんの波風もなく順調に進んでいた。
しかし心の奥底ではいつも寂しさが眠っていた。
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