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しかし、俺には「今の能力」がある限り安定して働き続ける事は不可能にも等しいと思う。
俺には見えるのに、他人は見えない存在。それが俺を悩ませているのだ。俗に霊とか言うようだ。
つい最近も、勤めていたバイト先のコンビニに見慣れぬ「黒い人」が現れた。体型や身長から察するに女性だと、俺には解った。
俺が「黒い人」が見える時には、必ず起こる事がある。「黒い人」がまとわりついた相手の身内か、その本人に不幸が訪れる。
「成美さん『何か』あったら俺が頑張りますよ」
バイト先でよくしてくれた、そのコンビニでも長い女性の人にまとわりついたので、親切のつもりで助言をしてあげた。
「何か」が一月と経たずに訪れたのだから、俺が疑われても仕方が無かった。良いことを言えば喜ばれるが、やはり不謹慎な悪い事を言えば誰でも煙たがられるだろう。
逆の事があったとすれば、最近コンビニに訪れた客の一人だった。
彼は、安いタバコを一箱ずつ購入する時もあれば、纏めて10箱買いする時もある。
俺は彼を「わかばさん」と呼んでいた。
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