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久し振りのデートでのこと
文化祭の準備は着々と本格化していった。
私達のざっくりした提案をクラスメイト達の前で発表したところ、反応は悪くなかった。
本格的なコーヒーを入れる、という点についてもみんなは概ね好意的だった。
「私もやってみたい」
なんて声もあったぐらいだ。
「私達がマスターしたら、覚えたい人には教えます」
久里さんはそう言っていた。
コーヒーに関しての甲斐さんはとても真面目らしく、突拍子もない嘘も飛び出さないらしい。
九月の後半に入ると、クラスを役割ごとに分担し、それぞれのチームリーダに、文化祭特別実行チームの面々がつくことになった。
古本班は私と小山君。
料理班に久里さんと海咲ちゃん。
衣装、小道具班はアバ。
神矢君は特別顧問として、各方面からの雑用を請け負ってくれるらしい。
本人は味見係として料理班への配属を希望したが、料理班の方からお断りを喰らったとか。
「衣装、小道具班は岡元さん担当で大丈夫?」
彼女はコーヒーの淹れ方もやると言っていた。なかなかの重労働ではありそう。
「大丈夫。任せて」
むしろやる気に満ちている? どういう性格してるんだ、こいつは。
「それに、原口がいるから平気よ。あの子、あれで結構そういうの好きだから」
小山君の質問に、アバは笑顔でそう答えた。
これはなんだか意外。ズレってあんぽんたんな女の子だと思ってた。
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