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「あなたは、丸西さんの隣。あなたは、前から3番目。」
みんなあっけにとられている間に座席が決まりそうなので、和歌山市の中学校に勤務している渡俊樹(わたりとしき)さんと丸西さんが間に入り、丸西さんから、
「くじ引きで決めますか?それとも男性2人までなら私の横に来れるわよ!」
みんなさっと後ろへ一歩引いてしまう。宮井さんも一緒になって引いている。
もう一度、渡さんから、
「くじ引きを作りますが、いいですか?」
くじ引きの結果、一番前の席が丸西さん。その隣が宮井さん。その隣が私こと神前となった。宮井さんの向かいが鳥居さんだ。4人ずつ向かい合わせになって座る。誰も文句を言わない。座席が決まったので、それぞれ自分の車にある荷物を取りに行く。パソコン、ワープロ、上靴、着替えの服などいろいろある。男性は全員、自分の荷物を持ってきた後、女性の荷物を三階まで持って上がる。当たり前と言えば、それまでだが、みんな一応紳士だ。
荷物を持ってきて初めて、自分のロッカーがないのに気づく。また、コンセントの数も足りない。スーツの上着をひっかけるハンガーを吊るフックもない。
こんな時は、どうすればいいのか研修員全員が分かっている。
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