ジャックとエミリー

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夕暮れの道を走る、何度も何度も足がもつれ転びそうになったがそれでも無理矢理足を進め走る。百物語を終えて消えたクラスメイトそして笑う山本君に恐怖を覚え教室から飛び出して私は走った。 息も切れ切れになりながらたどり着いた場所は山本君と最初に出会った公園―――ベンチに腰掛け急いでジャックとエミリーを取り出すと内容は再び変わっており早くなる鼓動を抑えながら震える指でページを捲った ナイフを持ったジャックに追いかけられたエミリー、彼女もまた公園に逃げ込み息を整えていると彼女の名前を呼ぶジャックの声が聞こえ振り返ればそこには――― 「ここにいたんだ、エミリー」 ジャックが鈍い光を放つナイフを持ってそこに立っていた。どうして?どうして彼は私を殺そうとするの!? 「山本君何で………!?」 「それはねエミリー」 ゆっくりと近づくジャックもとい山本君。 彼は震える私の横に手をつくとゆっくりと頬にナイフを当てた 「エミリーがこの世界の人間じゃないからだよ」 一瞬頭の中が真白になった。どういうこと?私がこの世界の人間じゃないって………何かの冗談だよね?だって私は………あれ?私の名前って………何だった? 「エミリー1年生の頃のクラスの担任の名前はクラスメイトは?ご両親の名前は?」 山本君が投げかける質問に私はまったく答えられなかった。 私は一体何者なの?私は一体………一体誰なの………? 「あーあ、やっぱり混乱しちゃった」 「山本君………」 「ジャックって一回しか呼んでくれなかったし何度危険な目にあわせても全然エミリーに染まってくれないし」 山本君の手が私の首に触れる、冷たくどこか骨ばった手が徐々に首を締め上げていった。 「やっと本物のエミリーに会えて閉じ込められると思ったのに」 「や、まも………と………くん………!!!」 「ねぇ、エミリー………」 君を水晶に永遠に閉じ込められたらいいのに……… 泣きながら笑う山本君は大きくナイフを振りかざしながら私の耳元で囁いた
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