第五話 6と6・5のつるぎ

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その言葉を最後に、ハロウの縫合は終わっていた。 彼は、窓から見える暗夜を睨み、ヤトゥリバの最後の言葉について思い起こす。いもいもくんに訊いた。 「……ガクドって何なんだ?」 いもいもくんの身体がゆっくりと横に揺れる。 「わからない。けど『最後の償い』と言っていた。俺様が思うに、七つのつるぎは、まだ完全にスターサバイバーに寝返った訳じゃなさそうだ」 「そ、それなら味方になってくれないかな、しづくを助ける……」 「いいや、甘い考えはよせ。人類を裏切ったんだ。そう簡単にはいかねえだろう」 「け、けど、やっぱりそのガクドに、希望があるかも……あっ、もしかしたら、それが『花咲(はなさ)ける大地』かも!」 すると外から大気を震わせる咆哮が聞こえた。巨大な汽笛や警報を思わせる響きは、一行に地震に遭遇するような不安を抱かせた。 ハロウの脳裏に、月の光を反射させる巨人の姿が浮かぶ。 「またあの、金ピカのロボットだ……」 いもいもくんも窓の向こうを睨んだ。 「暴走して近くの海にいるとか言ってたな、ここも早いとこ、離れないとあのヤトゥリバみたいに……」 「しづくさまぁ……」 ハロウとしづく、そしていもいもくんが緊張した面持ちで、互いの顔を見合わせる。 そのとき、その場にいる誰のものでもない声が聞こえた。 「お逃げくだちゃい、しづく様ぁ……!」 「んん?」といもいもくんが耳(と言っても芽が生えた窪み)をすました。 外から「しづく様、しづく様」という男女の声が聞こえるのだ。  
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