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ハロウは既にアウトサイドスカートを着込んでいる。彼はいもいもくんに向かって胸元を広げた。
「けどほら、この『星畳みの籠手』に、『アウトサイドスカート』と、レスティスムーンの『ボール』がある」
ハロウがしづくを見つめる。彼女の手には、『ふれればそこはきみのせかい』と呼ばれるヤトゥリバのあやとり糸があった。
「これだけ創造兵器があれば、しづくは絶対に守れる!」
「あっ、おい!」
確かに、未だかつてこの数の創造兵器を装備した存在は史上初、つるぎにおいていなかった。
いもいもくんの脳裏にそんな言葉が過ぎったときには、ハロウは小屋から飛び出していた。
そしてしづくが隠れている小屋を悟らせないため、別の小屋に一度隠れると、そこから謎の2人の前に立った。
「お、おい、あんたら、今もしづくの味方か!?」
グナイゼとアーリイの視線が、同時にハロウに注がれた。雨脚は強いが、ハロウの声は届いたようだ。
「……なんで出てくるんでちゅか?」
グナイゼの眉間に皺が寄っている。
「あ、あんだけ叫んだら気になるだろ!」
「罠だって言ってんだろ」
とアーリイが唇を歪める。目元こそ前髪で隠れているが、ハロウを睨んでいるのは明らかだった。
ハロウに対する2人の態度は、雨よりも強く、冷たかった。
「な、何なんだ、あんたら!? 何があったんだ!」
するとグナイゼが周囲を見渡してこう答えた。
「いる方向は見ちゃいけまちぇんよ? しづく様は、無事でちゅか?」
「ああ」とハロウが真っ直ぐにグナイゼを睨み、頷く。
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