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地球上のいらないものをすべて、取り除いてくれた。
フィルターはそこで役を終え、音もなくフッと消えていく。
こうして、地球からは無駄で邪魔なものがキレイさっぱり消え去った。
病原菌も害虫も産業廃棄物も、悪意すらなく、生物にとっての平和は保たれ、一部の生物と地球の寿命も少し延びた。
どこかスッキリした気持ちになることでしょう。
少なくても僕はそう。
動く物体の大きさの限界やその速さ、星の回る道理や時間の絶対、物理的な難しいものはすべて無視して欲しい。
何たって、頭のなかで描いていることだから、そこにサイエンスは存在しない。
せいぜい少しの糖分や電気が脳に作用して、この想像を生んでいるだけだから。
大抵は、そんな言い訳を抱いて眠るの。
けど、眠れないときは、そこからさらに考える。
楽しいのはここから。とっておきの楽しいところ。
その『地球の至るところから集めた、いらないもの』を塊にして、宇宙に浮かべてみて欲しい。
いらないもののなかには、本来そこにないほうがいいものもあったでしょう。
海に散らばった石油であったり、ゴミの山にあったプラスチックや金属であったり。
もしかしたら小銭や宝石の破片もゴミに混ざっているかもしれない。
それらはまとめて、地球上で最も必要な場所に返しておこう。
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