第二話 こどもさらい

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「あー、どうしよう。最後の子、見つけちゃった」 彼らの第一声がそれだった。女性の声だ。 「な、なな、何だ、お前ら、なんだよ!」 ハロウは立ち上がり、巨大な影を指差す。 しかし、彼らはハロウに構わない様子で、何やら相談をはじめた。 「残り一人じゃ、奴らを誤魔化せない」 「これじゃあ、あの作戦が通用しない」 「引き渡すしかない」 腹に響くような老いた男の声、子育てを終えた頃の女の声、若い女の声。そんな会話だった。 ハロウはしづくを守るように、腹に抱いた。しづくがハロウの腹の衣服を握る。すると、いつの間にか藁を握っていた。 ハロウは左腕を切られ、身体のあちらこちらから、藁の束が飛び出している。 「藁人間? つるぎの生き残りかしら?」 ようやくハロウの存在に注目が集まり、そんな女の声がした。 「最後の子だ、何が飛び出してもおかしくない」 「どうするの、あの子、連れて行くの?」 「それしかない」 「ようやく居場所がわかった。何か事故があったんだろう」 直後、再び巨大な腕が伸びた。巨大な指先で、ユンボのショベルほどある。 親指と人差し指が、真っ直ぐに、しづくに伸びた。 「ふざっけんなっ!」  
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