しづくの詩歌《しいか》-創力をあなたに-

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愛や悲しみと言えば、悪意もきっとそれに入る。 今まさに、この瞬間に人を殺めようとする心が地球にはあるでしょう。 人種がまた別の人種に抱く嫌悪感であったり、尊崇(そんすう)する予言者の行き違いであったり。 つまらない争いの火種になるそれら。 とにかくは、人が人を否定する、己心(こしん)の魔ともいうべきその心。 生きる人すべて、その人たちの心に芽生える憎しみや慟哭(どうこく)がいい。 家庭環境を恨むものから、教室で起こる劣等や嫌悪、哀しみと憎しみを混ぜ合わせた恨み、スパイスは怒り。 人を憎むものがいい。 僕は今だけ神と同じ権利の下で、 人の心に浮かぶ悪意を、総じて混沌(カオス)と呼ぶ──。  
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