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フードからこぼれた長い髪が、夜風に揺れている。
大きく丸い二つの瞳は、夜空を反射させて銀河模様に煌いていた。
──あの熱光線が海の向こうから放たれ、一行を襲ったとき。
しづくを捕まえていたスターサバイバーは光の周囲にいた。
直撃こそしなかったが大きな火傷を負い、しづくを手離す。そして地面に激突して動かなくなった。
しづくは運良く、キャッスルの一角に着地した。叫び過ぎて喉を痛めたくらいで、ほぼ無傷だった。
そして彼女は、いもいもくんと合流し、彼に導かれるまま、軽くなったハロウを抱えてヤトゥリバの前に立っていた。
ヤトゥリバの言う通り、仲間の攻撃によって満身創痍となったその姿は、どこか惨めなものとして、しづくの目に映った。
「なあ」
ハロウの、静かな声だけが、ヤトゥリバの耳に届く。
「つ、つるぎって何者なんだ?
な、何で、子どもを裏切った……?」
「…………っ」
彼が何か答えようとしたとき──その仮面がずるりと、彼の腹に落ちた。
そして50代ほどの、男の顔が現れた。
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