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あれから一か月。季節は秋へと色を変えていた。僕は、ブレイクがお気に入りの店になり、勉強をするという口実で、店にちょくちょく通った。陽菜ちゃんの淹れてくれたお茶を飲みながら勉強をするようにした。たまに、参考書を見るフリをして、陽菜ちゃんを盗み見たりした。
――そんな風にというと、ストーカーみたいだけど、そうじゃない。
僕は、陽菜ちゃんとどうこうなりたいワケじゃない。彼女が、僕の為に真剣にお茶を淹れる姿を、一目見たいだけなのだ。彼女が頑張っている姿を見つめると、不思議と勇気が湧いてくる。諦めてた夢に、希望が持てるのだ。
それに、彼女はカワイイから、きっと彼氏だっているだろう。僕みたいな冴えない男が彼女に恋をしているなんて、知られたくなかった。笑われるのがオチだろう。
必死に公式と格闘していると、陽菜ちゃんが、カウンター越しにおかわりのお茶を、僕の前に置いてくれた。勉強がはかどっているか聞かれたから、思い切って東大目指すことを伝えたら、すごく驚かれた。そりゃ、そうだよね。
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