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もうすぐ桔平君の東大の受験日が迫っている。初めて会った夏の日から、沢山お話して、沢山の時間を過ごして、あっという間に時間が過ぎていった。
高校生活の最後、素敵な時間を沢山二人で過ごしたと思う。
私は、彼を好きになるのに、時間はかからなかった。
心がときめいて、きゅっと温かくなって、会えるだけで嬉しくて。
きっと、初めて会った時から、ずっと気になっていたんだ。
そんな彼には、試験前で大詰めだから、暫く会えてない。
もしかしたら迷惑になるかもしれないけど、私はケーキを届ける事にした。
前、手作りのケーキをご馳走した時、とても喜んでくれたから。
花のケーキ――私のお母さんが考案したレシピで、優しくて甘い味の、美味しいケーキ。勉強の息抜きに、食べてほしいな。
心を込めて、ケーキを焼いた。合格するよう、祈りを込めて。
この想い、どうか届きますように。
迷惑になるかと思ったけれど、応援は、今しかできないもの。
それにもし、桔平君が東大に合格したら――この気持ち、伝えてみようかな。
怖いけど、友達から進みたい。この貴方を好きな気持ち、桔平君に届けたい。
今は、まだ言えないけど、きっと伝えようと思う。
桔平君に、届けこの想い――
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