#4 祈

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 もうすぐ桔平君の東大の受験日が迫っている。初めて会った夏の日から、沢山お話して、沢山の時間を過ごして、あっという間に時間が過ぎていった。  高校生活の最後、素敵な時間を沢山二人で過ごしたと思う。  私は、彼を好きになるのに、時間はかからなかった。  心がときめいて、きゅっと温かくなって、会えるだけで嬉しくて。  きっと、初めて会った時から、ずっと気になっていたんだ。    そんな彼には、試験前で大詰めだから、暫く会えてない。    もしかしたら迷惑になるかもしれないけど、私はケーキを届ける事にした。  前、手作りのケーキをご馳走した時、とても喜んでくれたから。  花のケーキ――私のお母さんが考案したレシピで、優しくて甘い味の、美味しいケーキ。勉強の息抜きに、食べてほしいな。  心を込めて、ケーキを焼いた。合格するよう、祈りを込めて。  この想い、どうか届きますように。  迷惑になるかと思ったけれど、応援は、今しかできないもの。  それにもし、桔平君が東大に合格したら――この気持ち、伝えてみようかな。  怖いけど、友達から進みたい。この貴方を好きな気持ち、桔平君に届けたい。  今は、まだ言えないけど、きっと伝えようと思う。  桔平君に、届けこの想い――    
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