#5 告

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 今日は試験の合格発表日。  合格発表の結果、僕は、努力の甲斐あって、見事合格を果たせた。  自分の番号を見つけた時、天にも昇る気持ちになった。  陽菜ちゃんのお守りのおかげで、合格できたんだと思う。  花のケーキと一緒に貰った、受験のお守り。試験の前、開けてみて、と言われて開けてみたら、ロイヤルミルクティーの隠し味ーー蜂蜜と花のブレンドの匂いがした。匂いのビーンズを、陽菜ちゃんが入れてくれていたんだ。僕が好きになった、甘い、スウィートハニーのブレンドの匂い。  緊張していた僕の心を、陽菜ちゃんの想いが溶かしてくれた。おかげで、試験に実力が発揮でき、合格することができたんだ。  僕は、切りたての髪を整え、雑誌のモデルの見様見真似で買ってみた、新しい服に袖を通した。眼鏡もやめて、コンタクトにした。  鏡を見ると、何時もダサイと思っていた自分はそこに無く、それなりに見える僕の姿が映っていた。オシャレに気を使った事もなかったけれど、これからは好きな女の子にカッコよく見てほしいって思う。  いつまでも想うだけじゃ、一歩は踏み出せない。  あの、難しい大学だって受かることができたんだ。  僕は、陽菜ちゃんが好きだ。      この想い、正直に伝えたい。  この思い、君に届け!  僕は、心を決めて、ブレイクの扉を開けた。  そこには、何時もと変わらない僕の大好きな人の笑顔がそこにあった。  -完-
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