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開幕
とある港町
父を亡くし、軍の工場で働く母と少女は共に支え合いながら慎ましく暮らして居た
神影 忍(ミカゲ シノ)先月に7つになったばかりのおかっぱ頭の小さな少女だ
裕福とは言えない環境で有ったがそれなりに幸せだった…なのに突如終わりを向かえた
空襲警報の鳴り響くなか少女は母と防空壕へと走る
しかし、たどり着く事が出来ないまま空襲が始まった…
爆音と衝撃や飛び交う破片を避けながら母に必死に着いていく…
「忍、こっちに」
母に手を引かれ近くの神社の境内に
境内にはやはり逃げ遅れたであろう人々が…
境内の隅に隠れる様に母は娘を胸に抱き神に一心に祈り続けた
すると境内の人々の悲鳴と爆音と胸を焼くような熱風が
母に抱かれ胸に吸い込む熱風に、やがて意識は失われた…
朦朧とする意識…
目の前が眩き光に包まれる
熱い…死ぬの?いやだ…
『死にたくないか…』
光の奥から声が響く
「怖いよ、死にたくなよ」
『よかろう…』
「助けてくれる…貴方は誰?」
『我はフツノミタマ…ソナタ等の嘆きの慟哭に呼ばれしもの…』
「フツ…のみ…た…ま?」
光に抱かれ、少女は意識を手放した…
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