結婚の証明

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「どういう、意味?」 「エヴァと話しをした。 もう君に必要以上 何かを要求してくることはない。 だから、安心して」 話しをした? 何を、どんな風に話したの? それでマダムは 納得したというの? それを約束したというの? あの気難しい人に 一体どうやって? まさか……。 「奈々緒」 朝食の並ぶテーブルの上で 温人さんが 私の手をそっと包みこむ。 彼の手はこんな朝でも やっぱり温かかった。 「余計なことをするなって 怒ってる?」 「私は……」 「でも、これ以上 黙って見ていることはできなかったんだ」 ごめんね、と。 私を助け、助けたことを謝る人。
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