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「豊田くんって、私たちのことずっと避けてるような気がするんだけ……んんっ」
博子が言い終わろうとした時、飯星は言葉を遮るように博子にキスをした。
数秒して口唇が離れた。
「久堂ゴメン。俺、君のことよりノブの方が好きみたいだ。これは友だちとしてじゃなく……悪いっ、別れてくれ」
飯星は準備室から駆けて出ていった。
博子は唖然としていた。
すると、飯星があわただしく出ていって棚にぶつかったせいか、きちんと納まっていなかったスケッチブックが1冊落ちた。
博子はそれを拾おうと思い、棚に近づいて手にした。
それは豊田のものだった。
博子はそれを何気なく開いてみた。
そこにはぎっしりと飯星のバスケ姿や教室での姿がデッサンしてあった。
博子は妙に納得してしまい、悔し涙と嬉し涙を半分半分流した。
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