Classmate

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 翌日、豊田と飯星はいつものように一緒に昼食をとっていた。  豊田は少し躊躇(ためら)いながら、でもごく自然に飯星に博子のことを話してみた。 「あのさ、篤司。美術部の中の子に、お前のこと好きっていう奴がいてさ。久堂博子って言うんだけど……」  豊田が博子の名前を言ったとき、飯星は一瞬ドキッとしたように、食べていたおかずを噛むのを止め、ゴクッと飲み込んだ。 「久堂博子って、もしかしていつも体育館のネットの後ろで絵描いてる子か?」 「そうだけど、知ってんのか?」 「知ってるって言っても名前だけだけど……そっか、やっぱ絵描いてるから美術部の子か……」  飯星は少し嬉しそうに、またおかずを食べ始めた。  一方、豊田の方は「なんだ、もしかして久堂のこと気になってんのか?」と何か気に食わない様子。 「うん、ちょっとね。あ、いや、ちょっと他の子たちとは違うなぁと思って、バスケ部の友だちに名前は聞いてたんだけど」  飯星は自分の頬をぽりぽりと掻きながら照れていた。 「それじゃあ、今日部活の時に久堂に言っといてやるよ、篤司も好きだ、ってな。女には興味ないって言ったくせにっ……」  照れていた飯星の顔を見て、豊田は怒ったように、最後の言葉は飯星には聞こえないほどの小さい声で言って、弁当箱を片付けて教室を出ていった。 「ノブのやつ、何怒ってんだ?自分の方から話しておいて……まぁ、いっか」  飯星も弁当箱を片付けて、席を立った。
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