青い海、夏の嘘

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 見開かれた瞳に、自分が映っているのが見える。それがどんな表情かを確かめる間もなく、口づけの海に溺れていく。揺さぶられて、中の熱を感じて、自分の存在をようやく確かめることができる。意識が遠のく中で、まるで繋ぎとめようとするかのように、彼の腕が透の身体をきつく抱きしめるのを感じた。
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