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ドアの閉まる音で、意識が突然呼び戻された。そう感じた次の瞬間には、上からかぶりつくように唇を塞がれていた。息をつく間もなく、角度を変えては吸い付かれ、苦しくなって目の前の身体にすがりつく。
あれから試合はますます白熱し、赤のチームの逆転勝利で幕を閉じた。悔しいが良い試合だったと言うかのように、店主は惜しみなく酒を振る舞い、客も誰彼構わずハイタッチやハグを繰り返した。気分はこれまでにないほど昂り、勧められるがままにグラスを合わせ、酒を呷ったことをぼんやりと思い出す。
熱に当てられて高まった感情は、まだ身体の中で燻っていた。
ユージンの白く大きな手が、透の身体を這っていく。唇を舐め上げながら、器用に服を剥いでいくのを感じる。素肌に触れたざらりとした感触に、そういえば砂浜にいたのだったと思い至る。
「シャワー……」
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