青い海、夏の嘘

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 *  ドアの閉まる音で、意識が突然呼び戻された。そう感じた次の瞬間には、上からかぶりつくように唇を塞がれていた。息をつく間もなく、角度を変えては吸い付かれ、苦しくなって目の前の身体にすがりつく。  あれから試合はますます白熱し、赤のチームの逆転勝利で幕を閉じた。悔しいが良い試合だったと言うかのように、店主は惜しみなく酒を振る舞い、客も誰彼構わずハイタッチやハグを繰り返した。気分はこれまでにないほど昂り、勧められるがままにグラスを合わせ、酒を呷ったことをぼんやりと思い出す。  熱に当てられて高まった感情は、まだ身体の中で燻っていた。  ユージンの白く大きな手が、透の身体を這っていく。唇を舐め上げながら、器用に服を剥いでいくのを感じる。素肌に触れたざらりとした感触に、そういえば砂浜にいたのだったと思い至る。 「シャワー……」     
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