青い海、夏の嘘

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 透の言葉が届いたのか、ユージンは軽く音を立てて口づけたあと、そのまま透を抱え上げ、シャワールームへ運んでいった。柔らかく生温い水が、二人の間に降り注ぐ。その間にも、ユージンは透の身体を優しく抱きしめ、顔中に口づけを落としていく。荒い吐息の音を聞くだけで、下腹がずくりと疼きだす。その反応を見逃さず、ユージンは透のたち上がりかけたそれにそっと触れた。 「んっ――」  ゆっくりと上下にしごかれ、それに合わせてどんどん息が上がっていく。それなのに、ユージンの舌は咥内を容赦なく動き回る。やっと解放されたかと思えば、壁に手をつくように身体を反転させられ、背後から再び刺激を与えられる。 「トオル……」  耳殻を食まれ、耳元で甘く囁かれると、ますます膝に力が入らなくなる。後ろの窄みに指先が触れるのを感じて、小さく身体を震わせる。長い指がゆっくりと侵入してくる感覚に、身体中が痺れてしまう。 「あぁっ――」  前と後ろの両方の快感に、透はあっけなく精を吐き出してしまった。力の抜けた身体がタオルで包み込まれ、再びベッドルームへと向かっていく。  ユージンは透の脚の間に身体を滑り込ませ、硬くなった自身を擦りつける。 「ユージン」  透が呼びかけると、ユージンはなぜか少し泣きそうな顔で微笑み、透の身体へ自身を沈めていった。目の前で、アクアグリーンの瞳が揺れる。その揺らぎを見つめながら、透はユージンの頬に手を添えて、そっと引き寄せる。 「キスして」     
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