(2)微妙な親子関係

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 千尋がそんな決意を呟いていた頃、階下のリビングでは理恵が夫にお茶を出しながら、控え目に苦言を呈していた。 「あなた。千尋さんに、あんな言い方をしなくても良いでしょう?」 「いつまでも学生気分が抜けずに、フラフラしている方が悪い」 「そうは言っても……。その尚子さんがやっている駄菓子屋って、あなたが離婚する時に渡した物でしょう?」 「お前には関係が無い事だ」 「ええ、関係は無いかもしれないけど、尚子さんと離婚した事を後悔しているんじゃない?」 「…………」  紋切り口調で切り捨てられ、内心で腹を立てた理恵が指摘すると、義継が無言で睨み付けてくる。しかし理恵は肩を竦めながら、面と向かって言い返した。 「別にその事を責めているわけでは無いし、勿論嫌みを言っているわけでもないのよ? だけど『離婚した分、千尋をしっかり育てないと』という意欲が空回りして、あなたは彼女に対して普段からかなり言動が厳しいし、要求する内容も無駄に高くなっていると思うわ」 「普通だ」 「良いじゃないの、尚子さんのお店を手伝う位。彼女はちゃんと、これからの事は自分なりに考えている筈で」 「もう休む」 「……おやすみなさい」     
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