(3)《よろづや》の頼もしいスタッフ?

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「ねこさんがいたから、おばさんがおみせをあけてるとおもった」  少々残念そうに子供達が口にした内容を聞いて、千尋は首を傾げた。 「猫?」 「うん、くろいやつ。おみせがあるときは、いつもこのへんをフラフラしてるよ?」 「おばさんがかってるんじゃないの?」 「飼ってはいないのよね。入り浸ってはいるみたいだけど」 「ふぅん?」 「そっか。おねえさん、ラムネください」 「ぼくも!」 「はい、今出すからちょっと待ってね」  求めに応じて千尋が冷蔵庫からラムネの瓶を取り出し、栓を開けて子供達に手渡している間に、猫は気配を感じさせずにいつの間にか店内に戻っており、先程の椅子にまた収まっていた。代金を受け取ってレジに閉まってからその存在に気付いた千尋が、半ば呆れて凝視する。 「あ、飲み終わったら、瓶はそこのケースに入れてね?」 「だいじょうぶ!」 「ごちそうさまでした」  子供達が飲み終わりそうな事に気が付いて千尋が声をかけると、二人は慣れた様子で所定のケースに瓶を入れ、挨拶して公園に向かって行った。 (うん、小さい子って、純真で可愛いよね。お母さんの事も、心配してくれていたし。……心の中でだけど、悪態を吐いてごめんね)     
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