肆:刻まれし罪

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「……阿呆(あほう)な仔ほど可愛いものじゃからな。 しっかし、あのこわっぱめ。 本当に欲しいものくらい、欲しいと言わんでどうするのだ!」 「ホホホホ……下総の黒いトラ神は、そこまで意気地のない方ではないと、猪子は思いまする」 「だと良いがの」 ふん、と、鼻を鳴らす速男の手の甲を、猪子のふくよかな手がなでさする。 「はい、カカ様」 時空の狭間から戻り、己の為したことを正しかったのかと問う【人間くさい神】を、ねぎらうかのように。
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