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そういった。 馬鹿げている。 「バカバカしい! 先生もお父さんお母さんも、そんなに私をからかうのが楽しいの?  ……わかった!! 今日は私の誕生日だから、わざとこんな芝居してるんでしょ!!」 いくら、誕生日だからって!! 冗談でもやりすぎだ。 そんな病気なんて聞いたことないし、あるわけがない。 「美緒、芝居なんかじゃない。藤本先生が嘘をいっていると思うか?」 藤本は、 「信じたくないのはわかる。でも真実なんだよ」 そう、曇りひとつない目で見つめてくる。 ……いつもの先生とは違う、真剣な表情。でも、こんなの……。 私は勢いよく席を立つと、そのまま部屋から出た。 「美緒!!」 両親の声に止まる事なく。気づいたら息を切らしながら走っていた。
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