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病院から一番近い公園、藤本先生の子供、同い年の子とよく来る公園に来ていた。
「馬鹿じゃないの」
ブランコをこぎながら。そして、藤本先生が言った言葉を思いだしていた。
『恋愛アレルギー』
『恋をすると発症する』
『死に至る病気』
……ばかばかしい。
そう思ったものの、部屋を出る直前に見た藤本先生の顔は、冗談だとはいってくれない表情だった。
……嘘が下手すぎ。
自分に何度も言い聞かせ、不安を取り除こうとしたが、ますます胸がもやっとする。
『初恋は終わっている』
本当に感情を消す、記憶を消す機械があって、初恋の記憶は、病気のために消されていたら。
なんだかスッキリしない胸に、『嘘だ』と蓋をして、これ以上もう考えないようにと、他の事を考ようとした。
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