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──夜にひとりで出歩いちゃいけません。
小さい子どもの頃から繰り返し聞かされる戒めの言葉。
不思議と、年齢が上がるほどに言われる回数が増えていった気がする。
特に、親の目が届かず、自分でなんの判断もできない思春期の頃とか。
急にそんなことを思い出した。
「あの、橋、すごく遠いですよ……渡るなんて無理です」
酔っ払い相手に真面目に話したところで無駄だということはわかっていたけれど、わたしは接待というものが苦手だ。
酔っ払いの機嫌を損ねず、自分のしたいようにことを運ぶ、ということについてもう少し勉強しておけばよかった。
「にゃん、行ける行ける」
……にゃん?
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