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「あれ、おにいさん。コンバンハ」
酔っ払いはわたしの手をつかんだまま、声をかけてきた人を振り返る。
さっきの年配の人よりもぜんぜん若い。
「タケちゃんなんや、また酔ってんのか」
「……! 知り合いの方ですか?」
「おお、俺いつもここ走るから……って、あんたもこんなとこでなにしてんねや」
「え?」
知らない人に親しげに声をかけられて目をしばたたかせていると、スウェットの人はバサバサの前髪をかき上げ、額を出す。
「俺や」
「家門さん!?」
昼間見たときとぜんぜん印象が違って驚いてしまう。
がっしりとした体になじんだスウェット姿の家門さんは、ずいぶん若く見えた。
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