第2話 賢者と魔女

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  「おい、タケちゃん。階段あっちやぞ」 「なんの。毎日おれここで酔い覚まししてるから。ケモノ道ならぬタケオ道があるねん」 「転ぶなよ。死んでも知らんぞ」 「はぁい、ありがとなあ。おまわりさん探してマリンちゃんとこ行ってくるぅ」 「気をつけてな」  謎のやりとりが終わって、家門さんはふうと息をついた。 「なんや、あいつに絡まれて困っとったんか」 「あ……えと、あの、はい……ちょっと、体が大きな方だったので怖くて……」  ついでに声も大きかった。 「毎晩走ってるから、なんか知り合いになってしもて。あいつはマリンちゃんが怒るよ! って言うたら言うこと聞くから」 「ありがとうございます……」 .
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