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「3年間の遠距離も、たくやさんだから乗り越えられた。絶対大丈夫だっていってくれたから」
「セックスも楽しかったね」
「ふふふ。楽しかった。二人ともあまり経験がなかったから、お互いに手探りだったねー」
「たくや」
「どうしたの」
「わたし、もうあなたにしてあげられることがなくなってきたみたい。」
「ユキ」
「本当はずっとそばにいたいけれど、今のままでは辛くてわたしはきっとあなたにわからないように、泣いて過ごすと思う。私はいつも家庭でひとりぼっちだから。もちろん友だちはたくさんいるけれど、家族といるときを大事にしたい。たくや、あなたを家庭で待つことが、私があなたに出来ることなのかしら」
「まだあるよ。ボクへの贈り物」
「うん 知っているわ」
「私たちが別れること…でしょう」
「そう」
「ゆき、あなたがボクに別れを考えるようなきっかけを作って、ボクに最後は決断させるんだ」
「そんな…。」
「私が、わたしが、別れが苦手なこと、知っているはずよ。そんな哀しくて寂しいこと、私には出来ない」
「ユキ」
「はい」
「別れることって、そんなに哀しいことだろうか」
「…」
「哀しいことって、あってはならないことなのだろうか」
「たくやの言いたいことはわかるような気がするけれど、また、あんなに辛い気持ちになるのかと思うと、どんなに今が切なくても、一緒にいることで傷つくようになっているとわかっていても、一緒に暮らしたい」
「離れる方が、相手にユキの愛情が伝わることがあるのかも知れないよ。もちろん何を選んでもいいんだけれど、せっかくこんなにボクのことを思ってくれているのに、ボクに全然伝わらないのはとてももったいないよ」
「…。本人にそんなこと言われても。」
「僕たち二人は、とても真剣に生きてきたと思うよ。だからこそ、お互いにもっともっと幸せになることが必要なんだよ」
「私といたら、私といたらだめなの?」
「そうじゃないんだ、ユキ。あなたも、もっと幸せを感じる生活を選んでいいと言うことなんだよ」
「私、が…」
「もっと、求めてもいいんじゃないかなって思うんだよ」
「ボク達はこどもを持つことを選ばなかったね。なぜなんだろう。わけを考えたことあるかい」
「たくやが望まなかったから」
「ユキは本当は欲しかったの?」
「今は欲しくない。」
「もし、つぎにおつきあいする人が望んだらどうする」
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