らすとミーティング

3/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
「3年間の遠距離も、たくやさんだから乗り越えられた。絶対大丈夫だっていってくれたから」 「セックスも楽しかったね」 「ふふふ。楽しかった。二人ともあまり経験がなかったから、お互いに手探りだったねー」 「たくや」 「どうしたの」 「わたし、もうあなたにしてあげられることがなくなってきたみたい。」 「ユキ」 「本当はずっとそばにいたいけれど、今のままでは辛くてわたしはきっとあなたにわからないように、泣いて過ごすと思う。私はいつも家庭でひとりぼっちだから。もちろん友だちはたくさんいるけれど、家族といるときを大事にしたい。たくや、あなたを家庭で待つことが、私があなたに出来ることなのかしら」 「まだあるよ。ボクへの贈り物」 「うん 知っているわ」 「私たちが別れること…でしょう」 「そう」 「ゆき、あなたがボクに別れを考えるようなきっかけを作って、ボクに最後は決断させるんだ」 「そんな…。」 「私が、わたしが、別れが苦手なこと、知っているはずよ。そんな哀しくて寂しいこと、私には出来ない」 「ユキ」 「はい」 「別れることって、そんなに哀しいことだろうか」 「…」 「哀しいことって、あってはならないことなのだろうか」 「たくやの言いたいことはわかるような気がするけれど、また、あんなに辛い気持ちになるのかと思うと、どんなに今が切なくても、一緒にいることで傷つくようになっているとわかっていても、一緒に暮らしたい」 「離れる方が、相手にユキの愛情が伝わることがあるのかも知れないよ。もちろん何を選んでもいいんだけれど、せっかくこんなにボクのことを思ってくれているのに、ボクに全然伝わらないのはとてももったいないよ」 「…。本人にそんなこと言われても。」 「僕たち二人は、とても真剣に生きてきたと思うよ。だからこそ、お互いにもっともっと幸せになることが必要なんだよ」 「私といたら、私といたらだめなの?」 「そうじゃないんだ、ユキ。あなたも、もっと幸せを感じる生活を選んでいいと言うことなんだよ」 「私、が…」 「もっと、求めてもいいんじゃないかなって思うんだよ」 「ボク達はこどもを持つことを選ばなかったね。なぜなんだろう。わけを考えたことあるかい」 「たくやが望まなかったから」 「ユキは本当は欲しかったの?」 「今は欲しくない。」 「もし、つぎにおつきあいする人が望んだらどうする」
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!