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スプーンを口に運ぶ歩美。口に入れた瞬間、顔がほころぶ。
「おいしいでしょう?」
隣に座る鈴が笑顔で歩美に語りかけた。
「うん!」
歩美が張りのある声で答えた。
どんどん手を動かし、口を動かす歩美。歩美はあっという間に食べ終えてしまった。
「おいしかった?」
初めてやって来た歩美に、寿人がそう言って感想を尋ねた。
「おいしかった!それと……」
「それと?」
「ニンジンが、可愛い!」
歩美はそう寿人に答えた。コンビニやスーパーの弁当を1人で食べることに慣れてしまっている歩美にとって、星型やハート型、ウサギの型にくり抜かれたニンジンはなかなかお目にかかれないものだったらしい。
「そう?良かった!またおいでよ」
寿人がそう言うと、歩美は笑顔で頷いた。
「今度はお母さんと来てみたら?私、日曜日はお母さんと来てるよ!」
鈴が歩美に言う。歩美は少しだけ考えるそぶりを見せた後、再び頷いた。
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