11話 セフレはセフレ

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『・婚約破棄後、同じ会社の同僚『亀井弘28才独身』と交際。が、半年後に部署の上司にあたる『矢島幸一31才既婚、妻、洋子30才、子供2人有り』との不倫関係が始まる。 約1年の交際で妻、洋子に浮気が発覚され、慰謝料300万を請求される。 慰謝料は家族が立て替えて一括払いで完済。 矢島幸一は会社から懲戒免職。離婚に至る。 その後、会社を退職し、森本奈緒子は現在の会社に転職。 この件で亀井弘とは破局。 現在、会社の取引先の『山田武人30才既婚、妻、里美31才、子供1人』との不倫関係中。 先月半ば、妻、里美に発覚され、内容証明は会社、森本奈緒子の家族に通達済み。 弁護士を挟んで交渉中。 約400万の慰謝料を請求されると思われる。』 奈緒子の手が震えていた。 「…………なあ、俺とやり直ししたいって何?」 「………ち、違う!違うの!誤解なの!!」 「………金に困ったわけ?それとも家族に見放されそうで俺になんとかすがろうかと思ったわけ?」 「誤解だってば!……し、知らない!私関係ない!!」 「なら、お前のご両親に電話して、確認してかまわないよな?」 と、史也が電話を取り出した。 「やめて!やめてーーっ!!お願いだからやめてーーっ!!」 「……俺との婚約破棄の時、弁護士に散々『接近禁止』って言われたよな?……悪いが俺も弁護士挟む」 「ちょっ…待って……そんな事されたら……私、もう帰れないの!……お父さんにもう家出されるの!お願いやめて!!」 「……お前、本当に腐った女だよな。俺が少しでも未練があって、やり直しできそうなら全部俺に任せるつもりだったんだろ?」 「……………」 「早く帰れ!!2度と俺の前に顔見せるな!!」 奈緒子の顔色はもう真っ青を通り越えて、真っ白で血の気がなくなっていた。 ゆっくりと立ち上がって玄関へとフラフラ歩いて行った。 「待てよ。忘れ物」 史也は焦点の合わない奈緒子に『すき焼きの材料』を渡してドアを閉めて鍵をかけた。
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