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リビングに戻って、ソファーに座り、携帯を出した。
聡の番号を押して、電話に出るのを待った。
しばらくのコール音の後、聡が出た。
「もしもし、聡?」
「史也か、どうなった?」
「……深雪ちゃんは相変わらず携帯出ないよ。……LINEの既読もつかない。………でも、奈緒子はもう終わった。今朝届いた調査結果見せたらよろよろで帰ったから2度と来ないと思う。……本当に深雪ちゃんには悪い事した……」
「まあな……深雪ちゃん、『私が女子高生だったから?』って、ショック状態だったからな……でもこれで奈緒子片付いたから、ちゃんと『好きだ』って言いにいくんだろ?」
「………さて、今更どのツラ下げて行くかな?」
「そのツラ以外あるか。…さっさと行ってやれよ……深雪ちゃん、『史也さんの気持ちを求めちゃうからつらい』って言ってたんだからな」
「……ありがとな」
「全くだ。お礼に『彼女』紹介しろ!」
「美春ちゃんか?」
「要らん……」
笑い合って、電話を切った。
そのままLINE画面を開いた。
深雪とのLINE画面はまだ既読がついていない。
『深雪ちゃん、電話していい?』
『深雪ちゃん、ちゃんと話したいけど無理かな?』
『最初の出会いは確かに俺の好みだったからだけど、今の気持ちは違う。できればちゃんと話したいけど無理かな?』
『電車でも合わないのはやはり避けてる?話だけでも聞いて欲しい』
それ以上はもうしつこいと思ってLINEはできなかった。
ちゃんと話をするなら奈緒子との関係を綺麗に終わらせてからと思い、とりあえず不審だった奈緒子の今までの行動を調査してみた。
結果は真っ黒で、嘘だらけ。
本当になんでこんな女を好きだったのかと後悔する結果だった。
事が事だけに奈緒子の親ももう許さないだろう。
あれだけ言ったし、2度と接触してこないだろう。
「『セフレ』……なら、こんな苦しくならないよな……」
と、呟いてソファーに横になった。
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