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答えはもう明白だった。考えるまでもなかった。そんなの、読むしかない。もし未来にどんなことが起きようとも、ここまで読んでしまったのだ。ここで読むことをやめることなどできやしない。私は、好奇心のままに未来を知ることを決めた。
*****
……あれから数日が経過した。その数日で、私は未来を知った。これからのこの国の行く末を。この地で何が起こるのかを。
私は皇帝とまた話すことに決めた。その石板の解読の結果を報告すると近衛兵に言った。するとすぐさま、謁見の用意が整えられた。
私は謁見の間へ急ぐ。緊張のせいでつい足早になってしまう。
私は深く息を吸って、吐き出す。それとともに、私の精神は研ぎ澄まされていった。
目の前の重厚な扉が開かれる。視界が絢爛に染まる。部屋の中央に、案の定オグド皇帝陛下が泰然と腰を下ろしていた。
私は恭しく跪いた。皇帝陛下が面を上げるように言う。
「よくぞ参られた、トトよ。さて、早速だが、石板の研究が終わったそうだな。その成果を聞かせてほしい」
私は面を下げたまま言う。
「陛下。あの石板に刻まれた文章は、予言でした。しかし、今までにあった予言書とは違います……。この石板の文章は―― 恐ろしいほどに正確でした」
陛下は、満足げに頷く。
「そうか。それで、予言というからには未来のことが書いてあったのだろう? その内容は?」
「その内容とは――」
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