ビオラ

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ビオラ

頬にあたる風。カーテン越しの陽光。 今日も私は心地よい目覚めを迎えた。 リネンのワンピースに着替え、階段を下りていく。 「おはようビオラ」 「おはようございます紗良」  ビオラはエプロン姿でテーブルを拭いていた。 「トーストにしますか、それともごはんに?」 「トーストにするわ。蜂蜜いっぱいかける。サラダはある?」 「用意しています」  頷いて、キッチンに入っていくビオラを見送って、私は椅子に腰かけて伸びをする。  気持ちのいい朝。いつも通りの朝。  テラスに面したガラスドアから光が射し込んでいる。小鳥が二羽、手すりから飛び立っていくのが見えた。  そして私はいつものようにお昼ごはんのことを考える。  昨日はうどんを食べた。今日は洋風のものがいいな。ピザなんてどうかしら・・・。  物思いにふけっていると、ビオラがトーストとサラダを持ってリビングにやってきた。 「ピザはまだあったかしら」 「確認しますね」  トーストとサラダをテーブルに置き、再びキッチンに戻っていくビオラ。冷凍庫を開けて中を探る音が聞こえてくる。その間に私は、トーストに蜂蜜をたっぷりと塗った。 「あと2枚ありました。サラミとマルゲリータです」     
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