1人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
ビオラ
頬にあたる風。カーテン越しの陽光。
今日も私は心地よい目覚めを迎えた。
リネンのワンピースに着替え、階段を下りていく。
「おはようビオラ」
「おはようございます紗良」
ビオラはエプロン姿でテーブルを拭いていた。
「トーストにしますか、それともごはんに?」
「トーストにするわ。蜂蜜いっぱいかける。サラダはある?」
「用意しています」
頷いて、キッチンに入っていくビオラを見送って、私は椅子に腰かけて伸びをする。
気持ちのいい朝。いつも通りの朝。
テラスに面したガラスドアから光が射し込んでいる。小鳥が二羽、手すりから飛び立っていくのが見えた。
そして私はいつものようにお昼ごはんのことを考える。
昨日はうどんを食べた。今日は洋風のものがいいな。ピザなんてどうかしら・・・。
物思いにふけっていると、ビオラがトーストとサラダを持ってリビングにやってきた。
「ピザはまだあったかしら」
「確認しますね」
トーストとサラダをテーブルに置き、再びキッチンに戻っていくビオラ。冷凍庫を開けて中を探る音が聞こえてくる。その間に私は、トーストに蜂蜜をたっぷりと塗った。
「あと2枚ありました。サラミとマルゲリータです」
最初のコメントを投稿しよう!