HAPPY BIRTHDAY TO OKAYU!

11/12
前へ
/16ページ
次へ
* 「……あれ?」 目が覚めると、私はいつの間にか自分の家のベッドの中にいた。 「え?何で?」 着ている服は思いっきり部屋着だし、どこをどう見たって、自分の部屋だった。 ついさっきまで、ぽんぽこ御殿でぽんぽこメンバーの皆とワイワイ飲んでた筈なのに。 ヴィヴィちゃんお手製のケーキ食べて、菜摘ママと恭子ちゃんのミュージカル【恭子と蘭丸】観て。 後からやってきた那智君や飯野さんとも色々話して。内容の8割は、飯野さんによる陣内さんの愚痴だったけど。 飯野さん、ほんとにツインテールだったなぁ……。 そんでもって、最後はカウンター奥で眠りこけている陣内さんを眺めつつ、菜摘ママと飲んでた筈だったんだけど。 「……ええぇ。まさかの、夢オチ?」 帰り道に、遭遇して追いかけたあの可愛い白猫ちゃんも。白猫ちゃんを追っかけているうちに迷いこんだ汚い路地裏も。そして、あのぽんぽこ御殿での一時も。 「……全部、夢だったって訳?」 夢にしては、かなりリアルすぎる夢でしょっ。 白猫ちゃんを追いかけて走った感覚も、エレベーターのボタンを触った感覚やドアの取っ手に触れた感覚。おしぼりの熱さやレモンサワーの酸っぱさ……どれも実際に体験したかのように、まざまざと感覚が残ってるっていうのに。 菜摘ママに恭子ちゃん、エレナちゃんにヴィヴィアンナちゃん。それに陣内さん。皆の顔もこの目でハッキリと見た。 「夢だったのかぁ……」 私は少し残念な気持ちになって、ベッドに腰かけた。スマホを見ると、日付は既に変わって私の誕生日の日になっていた。 っていうか、すっかり朝だ。 いやぁ……しっかし濃い夢だったなぁ……。 「誕生日、か……」 溜息をつきながら呟いた、正にその時だった。 「ニャーーン♪」 あの可愛い白猫ちゃんの鳴き声が後ろから聞こえてきて、私はえっと驚きながら振り返った。当然だけど、白猫ちゃんの姿はそこにはなかった。 「……気のせいか」 ーーだけど。 「……あれ?」 その代わり、金色の封筒のようなものが置かれていた。 「え……何これ。今さっきまで無かったよね?」 慌てて金色の封筒を取ると、私は中身を開けて見てみることにした。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加