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電車に揺られながら、スマホでお気に入りの小説作品を読んでいた。外はすっかり真っ暗。
私の目下の創作活動場所はエブ。
エブでのクリエ名はお粥。そう、私のハンネは、風邪とかで具合が悪い時とかに食べる、あのお粥。何か文句ある?
お粥の由来は、結構他のクリエさんにも言ってあるので割愛しておくね。
たまに電車で読んでちゃマズい作品なんかもあって(吹き出しそうになるw)、そんな時は奥歯をぐっと噛んで俯いて堪えたりしてる。
好きなジャンルはホラーで、ゾンビものなら尚良し。でも、色々なジャンルの作品も読んでるかな。
何でも楽しいものをどんどん吸収したいから、とにかく色んなクリエさんの元に足を運んでるんだよね。
実際創作しているクリエさんに会う機会はないけど、作品を読んだりコメントのやり取りをしていると、何となくこのクリエさんはあーなんだろうなーこーなんだろーなーっていうのが、ぼんやり見えてくる気がする。
こういう半仮想空間で意見のやり取りをしながら、作品に触れたり創作したり出来る環境が私は大好きだ。
電車を降りるとスマホをしまって、家路までいつものように歩く。
途中でしおりを挟んだあの作品の続きは、家に帰り着いてからのお楽しみだ。
そんなことを考えながら、家の近くまでさしかかった時だった。
「ニャーーン♪」
どこからともなく、猫の甘えたような鳴き声が聞こえてきた。
私は、猫大好き人間だ。エブのプロフページのヘッダーデザインも猫仕様にしている。
辺りをキョロキョロ見渡すも、猫の姿は見えない。
「……気のせい、かな?」
真っ暗ではなく、外灯がいくつか並んである場所に立っているので、薄暗い程度だ。割と周りもよく見えていた。
ーーそれなのに、だ。
「ニャーーン♪」
「……え?」
次に前を向いた瞬間だった。
……いた。
つい一瞬前までいなかった筈なのに。
フサフサの可愛い白猫が、いつの間にか目の前に佇んでいた。
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