僕と異世界へと繋がる憧れの南海線

1/1
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ

僕と異世界へと繋がる憧れの南海線

 子どもの頃、南海線が僕にとっては異世界に連れて行ってくれる路線に思えた。  それには理由が二つある。  ひとつは、僕が大阪市営地下鉄の御堂筋線の駅、西中島南方に住んでいたからだ。  基本的には、御堂筋線一本で用事が済んでしまい、車にも乗った記憶がないほど、電車が好きだった。  ふたつめは、南海線に乗っていく先が岸和田駅しかないからだ。  岸和田駅には、九月のお休みに岸和田のだんじり祭を家族で見に行く習慣があった。  子どもの頃にちゃんと記憶に残っているお祭りは、だんじり祭ぐらいだった。  あの大人の男の人が御神輿に立って、飛んだりしている姿は、僕にはヒーローのように思えたのだ。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!