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成績を上げ、株も上げた。
そして会社で出会った誰もが認める美人と結婚。
両親は誇らしげで、また三四郎も自慢の嫁だと思っていた。
子供も生まれ、自分と同じように早くから英才教育を受けさせた。
妻はもう少し自由に学ばせてあげてもと言ったが、そんな悠長なことをしていたら他の子供に遅れを取ると言って聞かなかった。
仕事は努力の甲斐もあって相変わらず順調で、早くから出世した。
子供が大きくなる頃にはいい歳になっていた。
両親はすでに他界。
周りの友達ももうなんだか疲れたような様子の奴ばかりになっていた。
三四郎はようやくここで自分の過去を振り返った。
人生は競争だ。
親や周りからそう言われていたから、途中で立ち止まって考えることもしなかった。
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