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たった一つの言葉。
これに翻弄された男がいた。
彼は、それまでは自分が自由だと思っていた。
もちろん結婚もして家族を養わければならず、そのために仕事に時間を割く日々。
だが、それは幸福のための交換行為。
生活のためにたくさんの労力を消費した。
お金は今は子供の養育費のために貯めることが優先で、趣味に使うことは控えていた。
自分や嫁の両親には、週末になると子供の顔を見せに行った。
多少時間を取られるが、仕方がない。
みんな喜んでくれるんだから。
支配。
その言葉に男は自分で気が付いた。
親からの支配。
嫁からの支配。
社会や会社の支配。
子供だって支配する。
泣いたりわめいたりして、親の時間を奪う。
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