強烈な

2/3

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/219ページ
たった一つの言葉。 これに翻弄された男がいた。 彼は、それまでは自分が自由だと思っていた。 もちろん結婚もして家族を養わければならず、そのために仕事に時間を割く日々。 だが、それは幸福のための交換行為。 生活のためにたくさんの労力を消費した。 お金は今は子供の養育費のために貯めることが優先で、趣味に使うことは控えていた。 自分や嫁の両親には、週末になると子供の顔を見せに行った。 多少時間を取られるが、仕方がない。 みんな喜んでくれるんだから。 支配。 その言葉に男は自分で気が付いた。 親からの支配。 嫁からの支配。 社会や会社の支配。 子供だって支配する。 泣いたりわめいたりして、親の時間を奪う。
/219ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加